現役ママが語る「私立小」と「公立小」の善し悪し20選



【ママからのご相談】

保育園の年中の娘がいます。来年、小学校受験をするかどうか迷っています。娘はおっとりした性格のせいか、保育園ではやんちゃなお友だちに、「のろま」などとからかわれたりしているようです。このまま公立小に上がると、いじめられるのではないかと心配で、 私立の小学校への進学を考えるようになりました。ただ、漠然とですが、私の中で小学校の受験には抵抗があります。まずは参考にしたいので、私立小、公立小のそれぞれの良いところ、悪いところを教えてください。


●A. 私立・公立小学校のメリット・デメリットをご紹介します。

こんにちは。ママライターのKOUです。

ご相談者さんは、お子さんに小学校受験をさせるかどうか、決めかねているのですね。ちょうど秋は小学校受験シーズンです。遅くとも年中の11月ごろから幼児教室に入るなどの受験対策をされるご家庭が多いとうかがいます。

「受験に抵抗がある」ということですから、“どの点に抵抗を感じるのか”……まずはご相談者さんの気持ちを具体的に整理していくことが大事だと思います。また、お近くの公立小や通わせたい私立小の情報収集をすることもおすすめします。

ご相談にあるそれぞれの良い点や悪い点についてですが、私立小に関していえば、“施設設備などが充実しているが、費用がかかる”。また、公立小は、“費用が安いが、施設設備が私立ほど充実していない”など、表面的な違いはご理解されているかと思います。

そこで、実際に小学校受験をするかどうか迷って、私立小に通わせたママさんと、公立小に通わせたママさんたちにメリット、デメリットを取材してきました。



【私立小学校のメリット・デメリット】


☆私立小のメリット5つ

●ー(1)教師に転勤がない

『しっかりした優秀な先生が多く、公立と違って転勤がないので、指導に対する責任感が強いと感じます。音楽など専任の先生がいます』(3年生女の子ママ)


●ー(2)教育カリキュラムが充実

『1~6年生まで、具体的で徹底したカリキュラムが組んであります。高学年では習熟度別のクラスに分かれていたり、成績が伸び悩んでいるお子さんには補習をしたり、落ちこぼれを作らないよう学校側が取り組んでくれます』(5年生女の子ママ)


●ー(3)教育熱心な保護者が多い

『小さいころから幼児教室に通わせ、早期教育が当たり前のご家庭が多いです。中学受験などの情報交換もできて、同じような価値観を持つ保護者がいらっしゃいます』(1年生男の子ママ)


●ー(4)しつけが行き届いている

『子どもが通っている学校は、私立の中では自由な校風ですが、悪いことは悪いと子どもに正してくださる教育方針が共感できます。うちの子も常識的な善悪の判断が身についてきたと思います』(3年生男の子ママ)


●ー(5)育ちの良い友だちに恵まれる

『娘は、穏やかな学校生活を送っています。医師や教育者など家庭環境に恵まれているお子さんが多く、男の子も乱暴な子がいないので、安心して通わせています』(3年生女の子ママ)



☆私立小のデメリット5つ


●ー(a)電車通学

『東京都内の学校なので、電車通学でラッシュに遭いながら通わせています。一度、子どもが駅を降りるときに、ランドセルが引っ張られ、転んでけがをしたこともあるので、いつも心配しています』(2年生女の子ママ)


●ー(b)宿題が多く、塾との両立が厳しい

『中学受験を考えているのですが、学校の宿題も多く、塾の勉強に影響が出ています。終わらないときは、私が学校の宿題を手伝うときもあります。本当は良くないのですが……』(5年生男の子ママ)


●ー(c)競争心が激しい

『息子は何人かの同級生と同じ塾に通っています。クラス分けの試験で、息子が一番上のクラスに入れたのですが、他の同級生から、「学校ではそうでもないのに、よくトップのクラスに入れたね」と言われたそうです。ほんの一例ですが、何かにつけて比較して競争心をむき出しにする子が多いと感じます』(6年生男の子ママ)


●ー(d)保護者とのお付き合いが大変

『裕福なご家庭の多い小学校で、私たちのようなぎりぎりのお金で通わせているサラリーマン家庭にとって肩身が狭いです。乗っている車も高級、服装も高級……ついていけません。ランチのお誘いを受けても、高いところばかりなので、断っています』(1年生女の子ママ)


●ー(e)温室育ち

『お金持ちのご家庭がほとんどで、おそらく順風満帆できたお子さんばかりなのでしょうか。ちょっとしたアクシデントに冷静に対応できず、先生(あるいは親)に言いつけてしまうお子さんがいらっしゃいます。例えば、うちの子が誤って、隣の席の子の教科書をランドセルに入れそうになり、途中で気づいて、「間違えた。ごめんね~」と慌てて返したら、隣の子が「盗んだわね。先生に訴えてやる」と怒り出したそうです。ちなみに、その子のお父様は弁護士です』(4年生女の子ママ)




【公立小学校のメリット・デメリット】


☆公立小のメリット5つ

●ー(ア)比較的自由で伸び伸びと過ごせる

『わが家は、息子を中学受験させるので週4回、塾に通っています。学校の担任にもよるかもしれませんが、息子の担任は受験のことを知っているので、学校の宿題をできる範囲で出していただいています。勉強に関しては、私立ほど厳しさがなく緩いと思います。おかげで、息子は、学校では伸び伸びと過ごしているようです』(6年生男の子ママ)


●ー(イ)保護者の付き合いが気楽

『学校の行事に参加する際は、特に着飾るような保護者はほとんどいなくて、こちらも気楽に付き合えます。地元の商店街などで、ノーメイクで会っても、違和感なくあいさつしてくれます』(5年生男の子ママ)


●ー(ウ)いろいろな環境の友だちがいるので、(いい意味で)揉まれて育つ

『公立小は、乱暴な子、おとなしい子、積極的な子と、いろいろなタイプの子どもがいます。人間関係で子どもにとってつらい思いをすることもありますが、心が鍛えられます。社会に出たときに強いです』(5年生男の子ママ)


●ー(エ)地元の友だちが増える

『娘は放課後にクラスのお友だちとよく遊んでいます。さらに、お友だちのお兄ちゃんやお姉ちゃんとも遊べて、交流の輪も広がります。私立小だと、皆さん遠くから通学してくるので、平日ではなくわざわざ休日を使って遊びに出掛けていると聞きました。大変ですよね』(1年生女の子ママ)


●ー(オ)働いているママへの理解がある

『保育園から上がってきたお子さんも多く、働いているママがいらっしゃいます。学童保育もあります。PTAの役員を決めるときは、少し大変ですが、仕事のことを理解してくださる方がほとんどで、できる範囲で協力をさせてもらっています』(2年生女の子ママ)



☆公立小のデメリット5つ

●ー(I)小学1年生から学級崩壊

『子どもの担任は若い先生で、1年生の動き回るお子さんたちに手を焼いています。子どもによると、授業中は教室から出て行く男の子がいるらしく、中断することもたびたびあるようです。保護者会があったときには、家庭でのしつけをお願いされました』(1年生女の子ママ)


●ー(II)教師の当たり外れがある

『3年生の男性担任が頼りないです。娘が授業の後に質問をしたりすると、「忙しいから、自分で調べてくださいね」と言われるそうです。さらに、運動会の係について質問したときも、「プリントに書いてあったでしょう」と言い返されたとか。公立は先生の転勤があってコロコロ先生が変わるし、当たり外れがあります』(3年生女の子ママ)


●ー(III)中学受験をする子どもの中には、学校でストレスを発散していじめに発展することもある

『うちの子ではないですが、中学受験をするお子さんが受験をしない同級生の持ち物を隠したりしていじめているという話を子どもから聞きました。勉強のストレスを学校で悪いことをして発散している子もいるらしいです』(6年生男の子ママ)


●ー(IV)素行の悪い子どももいる

『髪の毛が茶色の子やすぐに手が出る子といった、普通の家庭から見るとびっくりするようなお子さんもいらっしゃいます。なるべく、関わらないようにさせています』(4年生女の子ママ)


●ー(V)非常識な保護者も少なくない

『保護者の付き合いは自由で気楽ではありますが、集合時間を守らないなど常識がない保護者の方も少なくありません。給食費を滞納しているご家庭もあるようです』(5年生男の子ママ)



----------

以上、現役ママさんからのご意見でした。参考になりましたでしょうか?

取材をしたのは首都圏に住むママさんばかりです。また地域によって、学校の状況も違いますから、しっかりと情報収集をしてくださいね。お子さんが充実した6年間を過ごせる学校が見つかることを切に願っております。

●ライター/KOU(ママライター)



ぱぴまみ から引用